組織体系

流れ制御研究室

(教員所属研究組織)大学院工学研究院 エネルギー環境システム部門

(学生所属教育組織)大学院工学院 エネルギー環境システム専攻

工学部 機械知能工学科

LFCの名前の由来 公式ロゴ

当研究室の英語名Laboratory for Flow Control(LFC)は旧流れ制御工学研究室に由来し,国際的に定着してる伝統的名称です.


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分野の目標

私たちの周りの物体はすべて流動しています。都市や自然界での空気や水の流れは私たちの生活を支配していますし、機械やプラントの中の流れは生産工程の有 効性や効率を決めています。私たちはこの流体の流れが、いろいろな形態の中でどのような構造を持ち、そしてどのような特性を含んでいるのかを調べていま す。それを知ることが、流れを私たちの生活をより快適で、より便利なものに誘導・制御できると考えるからです。

流動場は時空間で特性を持っています。従来の研究では、空間構造は時間平均で、時間構造は空間の数点でのみ取り扱われてきました。測定技術が未発達だった からです。流体力学の理論では、最初から場を時空間で扱ってきました。これが理論と実験がうまくかみ合ってこなかった理由です。近年数値計算が発達し、数 値実験によって流動場を時空間的に観察することが行われています。実験流体力学では、超音波ドップラー流速分布計測法(UDM:Ultrasonic Doppler Method)の開発によって、場を時空間的に扱うことがようやく可能になりました。当研究室がこの測定法の世界センターの役割を果たしています。この方 法の更なる発展・開発を行う一方で、これまで行えなかったいろいろな流動場での測定を行い、流動の本質に迫ろうとしています。また、あくまで流動場の時空 間構造を調べることを基本として、産業界のニーズにも応えられるテーマを選択しています。


研究紹介

(1)内部発熱による水平層内の自然対流

内部発熱による自然対流は、マントルや大気・海洋の動きなど自然界で多く見られます。また化学反応を伴う場合や原子炉事故時などの自然対流にも内部発熱が関係しています。従来この内部発熱による流れを実験的に研究することはほとん ど行われていません。当研究室では、流れの空間構造を調べる絶好のテーマと位置付けて取り組んでいます。

水平層内の流れ場にはセル構造が発生します。この空間特性として、セルの大きさを可視化によって調べました。画像に現れているセルパターンの輝度情報の周 波数解析によって面全体平均の空間波数(セルの大きさの逆数)を求め、支配ぱラメータである内部レーリー数(Ra)に対する変化を調べました。理論とのよ い一致が見つかりました。また従来の結果を支持し、あるいは訂正する結論も得られています。

今後はマントルの流動と対比するために、液体金属を使い、超音波流速測定法(UDM)により流動場を調べる計画です。(海洋科学技術センターの支援)

(2)時間依存流れの時空間構造

時空間特性(特に乱流遷移)を直接調べるために、次の三つの形態を使って研究しています。
 (1) プリセッシングジェット
 (2) 振動管内流
 (3) 内円筒が振動するテーラークエット流れ
測定にはすべてUDMを使用しています。

(1) Precessing jet:

オリフィスの外側にチェンバーを持つノズルからの流れは、チェンバーの側壁の存在によって、ジェットの軸が不規則に振れて流れます。(スプリンクラーの軸 が揺動するのと似た現象)現在はこのチェンバー内の時空間構造を調べています。その結果、内部にいくつかの大きな構造があり、それらがRe数によって変遷 し、それがJetの揺動に大きく影響していることが分かりました。


(2) Oscillating Pipe Flow:

ほとんどすべての管内流は非定常流です。そしてすべての非定常性は(線形である限り)正弦波の重ね合わせで求められます。そこ で、管内で正弦波運動をしている流れを調べるのが目的です。液体ではその非圧縮性のためにほとんどが線形的に運動していますが、一部特殊な場合には非線形 性が現れることが分かりました。

(3) Oscillating Taylor - Couette Flow:

回転二重円筒内のテーラー・クエット流れは物理的にも工学的にも重要な流れの形態です。その乱流への遷移過程がすでに明らかに されており、さらに乱流にはソフト乱流と呼べる様式もあることが確認されています。この研究では、内円筒の回転に変調をかけることで、発生する流れの成分 をコントロールして、いろいろな流れのモードの間で、エネルギーがどのように転移するかを調べます。本年は実験装置の製作と検証を行いました。

(3)超音波ドップラー流速分布法UDMを用いた新しい流量計測装置の開発

UDMでは瞬時に流れの空間構造を捉えることができるので、これを配管内流れに適用して瞬時の流 量を求めることができます。この方法では従来の方法とは全く異なり、配管内の流れの分布形状や発達の具合を仮定する必要がないので、非常に精度良く流量を 求めることが可能です。すでに装置の開発は完了して、これまでにNIST(USA)、計量研究所(筑波)NMi(オランダ)で精度の検証実験を行い、 0.2-0.5%の精度で測定できることが確認されています。(東京電力との共同研究による)
今後は実用機の開発を行うとともに、水以外の流体(食品、薬品など)の流量測定装置の開発を目指しています。

主な研究設備

●超音波ドップラー流速分布測定装置(Met-Flow社、UVP-XW, UVP-DUO)
●高速度ビデオカメラ(Photron社:FASTCAM-MAX x2, NACイメージテクノロジー社:CR450)
●各種光源
●熱線流速計 HWA:Hot Wire Anemometer(カノマックス社:4台)
●PIV 解析ソフト
●風洞実験装置:
 (1)低速還流型(試験部寸法 1.5m×1.2m×6m、流速範囲 5~80m/s(有効30m/s))
 (2)低騒音噴出型(試験部寸法 0.3m×0.3m×1.3m、流速範囲 0.5~30m/s)
 (3)低速吸込型(試験部寸法 1.2m×1.2m、流速範囲 1~40m/s)
●気泡流計測装置:
 (1)平行矩形流路(試験部寸法 0.04m×0.16m×6m、流速範囲0.5~3m/s)
 (2)曳航水槽(流速範囲 1~7m/s)
●回転場装置
●オープンチャンネル(回流式)

低速還流型風洞

低騒音噴出型風洞

6m平行矩形流路